20210116

「推し、燃ゆ」のちょっとしたネタバレを含みます。

 

午前中に、宇佐見りん「推し、燃ゆ」を読んで、最高だー、って言ってた。午前中。宇佐見りんやっぱり好きだ。「かか」の時点で好きだったし、もう「かか」を読み返したいとすら思っている。「かか」の文体は生々しさ爆発で独特だったのに対して、「推し、燃ゆ」は(ある程度)さらりとしてて、触れ幅すごい。「推し」を作ったことはないですが、僕の周りでは「私の推しはこの人」みたいに言っている人がたくさんいたし、主人公が推しを解釈しようとする気持ちは僕にも似た感情があるから、すごく実感しかなかった。誰かを推すとはどういうことなのか。それが書いてあって、これはようするに共感みたいな話に近いので、SNS全体の問題でもあるよなあと思います。読んでいくうちに、主人公は追い込まれていって、ページ数が少なくなってもまだ追い込まれていて、この作品は絶望的な終わりを見せるのかと思ったけれど、破滅じゃなかった。それがよかったなあ。

宇佐見りん推しになったな、僕は。