20210320

イヤホンで耳を塞ぎながら、考え事をしていた。その時は本屋にいて。立ち読みをしようと本棚から本を手に取った瞬間に、体のバランスが取れなくなって、足元がフラフラとして、ああ、何かの病気になって死ぬのかなって思った。それにしては苦しさはなかったけれど、どうしようもなく不安だった。でも、死ななかった。イヤホンを外してみると、他の人も何かに怯えているのが見えて、そのときやっと地震が来たのだなと、気づいた。ああいうのは本当に怖いのでやめてほしい。当たり前にそこにあるはずの地面が揺れていると、自分はこんなちっぽけだったんだなって思い出す。地面がぱっくり裂けてしまったら、僕たち何も分からずそこに吸い込まれて死ぬだけだったよな。とりあえず、生きているけれど、この前3.11から十年だとか考えていたから、あの時期のことを思い出しちゃう。僕は別にすごく被災者とかいうわけじゃないし、記憶がそこまで鮮明に残っていないというのもある、でも、なんというか、僕の奥底の方であの体験は根付いている。イヤホンで耳を塞いでいた時は、未来のことを考えていたけど、急に現実に引き戻して、そんな明日があることが当たり前だと思っていたのが馬鹿みたいに思えてくるね。前もこんなこと思った気がするな、あの時はポジティブな反応が起こっていた気がするけれど。そういえばあの日も土曜日だった気がする。それでもやっぱり僕ら、未来のことを考えないと生きていけないからさ。と、思う。