20210808

本屋で何か本を買おうと思ったら、突然知らない男の人に声を掛けられたのでびびった。黒いジャケットに黒いズボンで、全身真っ黒だった。「本を読みたいと思ってるんですけど、どれから読んだらいいのか分からないのでおすすめとかありますか。上司に聞いてもビジネス書とか難しい本を勧められるので、若い人の意見を聞こうと思ったんです」と言ってた。そこから、あまり乗り気ではなかったけれど流れで話すことになった。話すほどに「なんで声かけられたんだろう?」みたいな不信感がどんどん募って、真意を探ろうと目を見たけれど分からなかった。話すときに右目に力が入って、左右非対称になるんだなあと思った。目がまったく合わない。なので、さよならした。

人から見たら僕はかなり話しかけにくい部類の人間だと思ってる。髪型は鬼太郎スタイルで片目隠れるくらい長く、マスクもしているから顔面積が異常に少ない。それなのになぜ、ということををずっと考えていた。僕には、見ず知らずの人に対する恐怖心があるようだ。役割とか仕事とかの前提があるなら全く怖くないのだけれど、誰かと話してみたいから話したい、みたいな欲求が根本的に理解できないから怖いのか。純粋に本のことを聞きたかっただけなのか、その裏に何かあったのか全くわからない。そんな分かりにくさが怖かったんだと思う。ナンパされるのはどんな気持ちなんだろうって思ってたけれど、こんな気持ちなのかもしれないね。