20210525

最近よく分からないけれど千鳥の大吾にハマってます。あの面白さがすごい。人間的に面白いですあの人。笑いとか関係なしに。人は話をふっかけれらるとその投げかけられた軸のまま会話してしまう傾向があります。例えば「お前おもろないな」「何でやねん!」みたいな話があったとして、この「なんでやねん!」というのは、最初で提示された「面白くない」価値観に対して、「俺は面白いよ!」とその価値観を否定するために機能する。だけれど、それは「面白い、面白くない」という軸線上の話でしかないため、話に広がりが出ません。言い方が悪いけれど、この手の手法は一発屋的な売れ方しかしなくなってしまう。千鳥をみていて思ったのは、会話っていうのは一本の価値観の軸上で話すのではなく、黒ひげ危機一髪的にたくさんの価値観をぶっ刺していくことによって楽しくなるということでした。あんまりいい例ではないけれど、例えるなら「お前おもろないな」「こんなおもんないやつとコンビ組んでんだから、お前も人生棒に降ってんぞ?」「......でも、お前のこと好きなんや! 言わすな!」みたいなことだと思います。面白い面白くないという軸線に対して、人生を棒に降ってる降ってないみたいな別の軸線を用意することによって、前の例よりもちょっとは面白くなってます。さらに、「お前が好き」という感情で占めてオチもついてる。一次元的の価値対立は価値対立のままだけれど、そこに別の価値の軸を用意することで、これは序破急的な緩急が生まれ、物語を付与することが可能になります。これはかなり物書きにも応用可能だと思う。でも、新しい価値観を提示するっていうのはかなり難しいことで、考えても考えてもそういうのは出てこない。それは意識しているのかしていないのかに関わらず、普段から考えている哲学によって達成されるし、それが人間味みたいなことなんだろうなということを思います。人間味の本質は黒ひげ危機一発の刀の本数であって、そういう意味で千鳥はめちゃめちゃにすごい。違う価値基準を常に提出してます。アンリミテッドブレードワークスだなと思うわけでした。以上です。

自分で書いといてなんだけど、例を読み返すとすごく恥ずかしいな。