20210828

月姫ルート一つ終わりました。ほんとうに楽しい。いや、どっぷり浸ってしまっていたから、楽しいとかでなかった。楽しい時もあったけど、なにより悔しかったし、悲しかったし、それでも生きてかなきゃないけないと思った。何言ってんだろう。すごく泣いた。プレイし終えた自分の顔を鏡で見たら、気持ち悪かった。いつもこんな顔してたんだな泣いてる時。人前ではあんまり泣くもんでもないよな、と思った。ともあれ、今年の楽しかった物語ランキング一位です。あのエヴァも超えました。今週はオタクな部分がダダ漏れで申し訳ない、、。

奈須きのこのすごいところは世界観の設計で、それは作り込まれているからとかではなく、物事の因果がちゃんと設計されている世界を厳然と作り出せてしまっているところです。例えば、魔法というモチーフがあった時、それをただ「MPを消費して火や水を出す能力」みたいに設計してしまうことは簡単なのだけれど、現実から浮いていて空想みたいなものに見えてしまう。それがファンタジーってことなのかも知れないし、僕はファンタジー、好きですが、リアリティを考えると魔法を使うということに対する代償が少なすぎる気がする。物事を成すには、何かしらの代償が必要である。ということが、人間にとってのリアリティなのかも知れない。もしも魔法が使えるようになってしまったら、きっと魔法が使えなかった頃の自分の心ではいられない、みたいなとこは絶対にある。氷が出せる人の特徴、火を出せる人の特徴もたぶんそれなりに出てくるはずだし、もしかしたら、能力を使えるということは、他人と違う世界の見方をしてることだから除け者にされたりもするかもしれない。そういうことなんです。因果の設計をちゃんとしていると、報酬があったら代償があって、代償があれば報酬がある、っていう物語の当たり前の原理は、プロットとして組み立てるまでもなくキャラが動いたら自然に設定されていくことになるし、そういう物語は強いと思うんです。なんといか自然だ。テーマ主体に物語が設計された場合、こうはならない。国語の問題になるみたいな物語のテーマも好きですが、細部が細やかな世界も僕は好きです。