20211022

コンクリートに転がった小石みたいな、断片ばかりがある。連続した意識を持っていない。指先がこぼれる、目玉が飛び出る、心臓が溶け落ちる。そうやって分解されてしまった体。いつか、いくつもの細胞になってしまう前に、何度も結び直して、なんとか僕は僕をやっている。ような気がする。

上司が人に説明するときは「演じたらいいんだよ」と言っていた。そのうち何が本当かわからなくなって、そしたら本物になるらしい。そんなことがあるのかな。もし、演じてしまったら、僕は自分の感性に鈍感になっていくのではないかと思った。そのうち、自分がわからなくなって、何をしているのかもわからなくなって、あっという間に40歳くらいになってしまうのではないか。それは嫌だ、一つ一つ苦しんでいくために、僕は社会人になったんだ。それとも、僕の受け取った言葉の前提が、上司の言っていることとずれていたのだろうか。よくわからない。