20201203

ヒメアノ~ルのネタバレを含みます。

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ヒメアノ~ルを観ました。どうしようもなさです。この映画は、起伏のある、気持ちいい虚無だった。人が死ぬけれど、このカラッとした空気感は何ですか。サイコパスみたいに見える森田くんは人を次々に殺していくけれど、ちゃんと理由があって、それは高校時代にいじめられていたことで、でもそれだけではなく。根本的な、運命とか、不条理と言われるような何かがあった。映画が進んで、森田くんの生きにくさがだんだんと現れていったとき、見えてくるのはどうしようもなさでしかなかった。最後交通事故の衝撃で甦ったのが、高校時代の幼さで、あんな希望のない目をしていた人間が、突然、子どものような口調で話し始めた瞬間に、なんとも言えない気持ちになった。実はこの話の主人公は森田くんでなく、岡田くんという人物で、高校時代のクラスメイトだった人です。岡田くんは、自分がないから、周囲に流されて生きてきたから結果的にそれなりに、社会に適応していた。ずっと森田くんと岡田くんと対比的に描かれていた。死とセックス、愛と孤独、社会的非社会的などなど何もかもが違かった。高校時代のあの一瞬だけ、ちゃんと同じ場所にいて、一緒にゲームをしていたんだということが、絶望なのか、救いなのか、僕にはよく分からない。