20201204

(鬼滅の刃のネタバレを含みます)

 

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鬼滅の刃の最新刊が発売だったので、kindleで買って読んだ。ようやっと、本誌組に追い付きました、ネタバレもドンと来いって感じです。

いや、ほんとよくて、こんなに憂いのない大団円を描けるのなんて、あとは荒川弘くらいなものですよ。そういえば、鬼滅の刃はどことなくハガレンに似ている。兄弟を取り戻すために旅をするところとか。

さておき、柱の人たちとかみんな命を使っていくし、ほんとどうして泣かないでいられますか。甘露寺と伊黒のカップルだって、ちゃんと幸せになって欲しかった。胡蝶しのぶも、ちゃんと生きてて欲しかった。みんな生きてて欲しかったんだ。それなのに、死んでしまって、ほんとうに悲しくて、祈りを捧げたくなった。

最後に炭次郎が鬼になったとき、炭次郎が一番鬼の才能があったということはすごく納得できて、それは炭次郎がとても空っぽに見えるからだった。たぶん炭次郎は後先のためじゃなく、どこまでも、今のこの瞬間のために命を使えてしまう人で、行動の後から倫理観が付いてきている人間に見える。炭次郎が優れていたのは、今この瞬間のために頑張る能力だけだった。それが優しさの方向を向いていたからいいものの、もしも境遇とか、親とか、人との出会いが違っていたら、もしかしたら鬼になっていたのかもしれない。優しさだけでは誰も救えないと、そのために力を欲することのできる人だから。力のために、一心不乱に修行できる人だから。もしも鬼になってしまったら、無惨を越えるだろうことは想像に容易かった。でも、鬼になった炭次郎は、今まで救ってきたみんなに救われて、人間戻る。みんなに与えてきた人だからちゃんと与え返されて戻る。それがよかったなあ。ほんとうによかったなあ。