20210704

ずっと崖っぷちで、自分自身を物語にすることでしか息ができないあなたに、そのまま生きてるだけでいいんだよ、って言ってあげたい。物語なんてなくてもいいんだよって。でも、誰にだろう? なんでこんなに必死なんだろうな、みんな。もちろんぼくも含めて。個人の物語が溢れ過ぎてる気がする。それが生存戦略なのだという気がします。ぼくは意識して物語を使わなくていいのが、一番いいと思ってる。人は言葉と意識を持ってしまっているから、記憶に意味付けをしてしまうし、だから、本来は物語らずにはいられない生き物なのだけど、それだけでいいよ。物語なんて自然と後から付いてくるから。誰かに分かってもらえなくても、あなたはあなたでいいはずなんだ。

でも、ぼくが文章を書くのは、業なんだと思う。書くことに救われてしまったから、もう書くことでしか生きていけないんだ。ほんとうなら、書くまでもなくみんなの輪の中で、ただ笑っているだけの方が幸福だったのかもしれないと思うし、そんな幸福ならいらないとも思う。幸せはつまんないし、絶望もつまんない。ただその間で揺れ動く振動であることだけでしか、生きてるなんて思えない。そういう生き物になってしまったんだ。