20210914

平家物語1話観ました。今日だけで3回くらい観ました。OPだけで泣いてしまった。なんでこんなに優しいんだろう。

無常であることがこの世の中の真理なら、どんな人だって、小指に繋がった赤い糸は死神と繋がっていた。どれだけ栄えたものもいつか終わり、時代だけが着々と進んでいく。僕がここに居たことも、あなたと手を繋いだことも、いつか砂時計の底に沈んでしまう。それなら僕が今を生きている理由はなんだったのだろう。子どもの頃、死ぬことが怖くて、なんとなく眠れない夜があったこと。じいちゃんが骨と灰になって、壺の中にいれられてしまったこと。「またね」と手を振ったきり会えていないあの人と、また会うことはありますか。いくつものさよならを繰り返して、さよならだけが人生みたいな色をしていますね。それでも、さよならのたびに僕は「またね」と言うよ。

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山田尚子が一番好きなアニメ監督なのだと言っても過言ではないから、こんな楽しみなアニメはないです。笑い方がいいと思うし、足の演技もいい。物語を大局としてだけではなくて、瞼の動き、指先の動きから設計できてしまうところが山田尚子のすごいところです。だから目のアップや足だけのカットなんかが大量に必要になってくるのだと思ってる。そういう機微を画面いっぱいに強調してる。

でも、同時に引いた画だって多様してる。普通のアニメよりも画面の人物比率は低いと思います。それはきっと、登場人物はその世界の中に包み込まれるようにして生きているからだ。人物がそれ単体で存在することはなく、いつだって世界との関係性の中に生きている。うねるような時代の中で、瞬きしたり、走ったりしながら生きてる。そしていつか終わっていく。でも、山田尚子の描く世界はいつだってほんのり温かくて、その祈りみたいな優しさが僕は好きです。みんなほんとは優しさに包まれてた、のかもしれない。