20211008

深夜2時。お風呂に入りながらニコニコ動画を見ていたのだけれど、なんだか急に散歩に生きたいような気がして外に出た。近所はいつも誰かしらが歩いて、生活音に溢れているのだけれど、流石に閑散としていた。くるくるとあたり見回してみたのだけれど誰もいない。街灯だけがぼんやりひかっていて、空には星が少しだけ見えた。気持ちがいい。まるで、世界が自分のものになってしまったみたい。そんな、ありきたりなことを思った。わけのわからない万能感がみちみちてきて、僕は陽気な足取りで近所を歩いた。ドライヤーで乾ききらなかった髪の毛に夜風があたって涼しい。僕は夜風が好きみたいだった。ときおり現れるお店はすべて営業時間外でシャッターが閉じていて、人類がほろんでしまったようだと、またありきたりなことを考えた。凡庸な感想ばかりが出てくる。でも、凡庸な感想が何か特別なものだと感じられる深夜2時の魔法。これは僕だけの街。